石油製品は今後も重要なエネルギー源であり、安定的な供給を確保する必要があります。しかしながら、国内の石油需要が減少し、一方でアジア諸国をはじめとする国際競争力が激化し、さらには地球温暖化に対する対応が求められるなど、事業環境の変化に直面しています。特に社会的なCO2削減の要求は大きく、日本国内においても「2050年カーボンニュートラル」が宣言されるなど、製油所に対してもグリーン化の対応が求められてきています。そこで、製油所のグリーン化に関する技術開発として、ペトロリオミクス技術を活用し、CO2低減に関わる新規技術開発を実施します。また、石油精製プロセスを利用して廃プラスチックを資源循環するための技術開発事業を行います。
温室効果ガスの排出削減及び新たな資源の安定的確保という2つの課題解決を両立させる技術として、製油所等から排出されるCO2を原料としたカーボンリサイクル液体合成燃料が期待されています。特に液体化石燃料(ガソリン、軽油、ジェット燃料等)の代替品となり得る液体合成燃料は、既存の石油サプライチェーンを利用できることから供給インフラの整備が容易です。そこで液体化石燃料へのドロップインを想定した液体合成燃料に係る一貫製造プロセス技術開発、及び液体合成燃料の利用拡大に向けた研究開発を総合的に進めます。